外来受診

三種混合ワクチン接種について

三種混合ワクチン任意接種のおすすめ

~百日咳にかからないために、百日咳をうつさないために~

三種混合ワクチンの任意追加接種について:就学前のお子様へ

2018年8月1日付けで日本小児科学会より、「5~7歳での三種混合ワクチンによる追加接種」が推奨になりました。

現在、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)+不活化ポリオワクチン=四種混合ワクチンとして定期接種を行っていますが、四種混合ワクチンをスケジュール通り4回接種しても、4~7歳では百日咳に罹患しないレベルの抗体価保有率は40%以下に低下していることが分かりました。

年齢が上がるほど、百日咳に罹患した時に重症化しにくくなりますが、喘息等の呼吸器疾患をお持ちの方を悪化させるリスクや、重症化しやすい1歳未満の乳児にうつしてしまうリスクを考慮すると、抗体価が低下する4~7歳時に三種混合ワクチンの追加接種を行うことが必要であると考えられます。

四種混合ワクチン接種前の赤ちゃんが罹患するリスク、および生後3か月から四種混合ワクチンをスケジュール通り接種しても、百日咳の感染が100%防げるわけではないことを考慮すると、特に下の御兄弟に新生児や乳児がいらっしゃるお子様には、接種をしていただくことで御本人はもちろん、下のご兄弟の感染のリスクが低下します。

実際の外来診療でも、小学生を中心に咳が長く続いているお子様で百日咳と診断される方が増えていますので、三種混合による任意追加接種をお勧めします(任意接種であるため自費になります:7,700円(税込))。

接種時期はMR(麻疹風疹2種混合)2期(+おたふくかぜ2回目)との同時接種が望ましいと考えられます(あるいは就学前の一年間に単独接種)。

三種混合ワクチンの任意追加接種について:小学生のお子様へ

2018年8月1日付けで日本小児科学会より「11~13歳でのDT(ジフテリア破傷風2種混合ワクチン)の代わりに三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア百日咳破傷風)での任意追加接種ができる」とされました。

三種混合または四種混合ワクチンをスケジュール通り4回接種しても、4~7歳では百日咳に罹患しないレベルの抗体価保有率は40%以下に低下していることが分かりましたが、現在小学6年生で接種しているDTは三種混合から百日咳を抜いて、量を少なくしたものです。

10歳以上では、ジフテリアトキソイドに含まれる菌体成分によるアレルギー反応として時に激しい局所反応や全身反応を起こす可能性があるため、DTは接種量を0.1mlに減量しています(三種混合、四種混合の接種量は0.5ml)。

そのため推奨通りにDTに代えてジフテリアトキソイドの量が多い三種混合ワクチンを接種することで、アレルギー反応が生じる可能性が高くなると考えられますが、そのリスクに関しての検討が2014年に臨床試験として行われており、11~13歳のDT定期接種対象者に対してDTを222例、三種混合を223例に接種した結果、特に副反応の発生率に有意差を認めず、三種混合接種群でのアレルギー反応も特に多くはなかったという結果が得られています。

年齢が上がるほど、百日咳に罹患した時に重症化しにくくなりますが、喘息等の呼吸器疾患をお持ちの方を悪化させるリスクや、重症化しやすい1歳未満の乳児にうつしてしまうリスクを考慮すると、定期接種後に三種混合ワクチンの追加接種を行うことが必要であると考えられます。

四種混合ワクチン接種前の赤ちゃんが罹患するリスク、および生後3か月から四種混合ワクチンをスケジュール通り接種しても百日咳の感染が100%防げるわけではないことを考慮すると、特に下の御兄弟に新生児や乳児がいらっしゃる方には、三種混合ワクチンの接種をしていただくことで御本人はもちろん、下のご兄弟の感染のリスクが低下します。

公費負担の定期接種であるDTを接種せずに、任意接種である三種混合ワクチンを接種することで、①ジフテリアの接種量が増えることでアレルギー反応が強くなる可能性があること、②445人での臨床試験では①のアレルギー反応に差はなかったこと、③自費になること、④百日咳の大きな予防効果が期待できること、以上を御理解いただいた上で御希望によりDTの定期接種に代えて三種混合による任意追加接種を致します(任意接種であるため自費になります:7,700円(税込))。